現代社会において、人間の体は知らず知らずのうちに日々の不良姿勢・生活習慣によって少しずつ体のバランスを崩していってしまいます。毎日の通勤やデスクワーク、バランスの崩れた姿勢での日常生活などにより背骨は歪みやすいためすぐの不調が出る場合が多いです。
体のバランスを崩す多くの原因が、「片寄って身体を使うクセ」「ストレス」「長時間同じ姿勢を続ける」といったものから生じます。
これは日々の積み重ねによるもので、1日で大きくバランスは崩すということはなく、最初は自分の筋力で支えられる範囲内であれば、痛みや運動の制限といった症状は現れません。しかし体のバランスが崩れた状態が続くと、姿勢を支える筋肉の負担が増え、骨の正常な位置を保てなくなります。これが『体のゆがみ』と表現される状態です。
この「体のゆがみ」が出ても早い段階で対処ができると、多くの場合は症状が現れることはありません。しかし少しのゆがみでは痛みを感じることはないため痛みが出現するまでゆがみの存在に気付かない方がほとんどです。ゆがみを早期に発見してすぐに施術ができると体は改善に向かいます。
背骨をゆがんだまま放っておくとどうなる？
特に注意すべきは背骨のゆがみです。背骨がゆがむと、骨を支えていた周りの筋肉が無理やり引っ張られて過剰な刺激を受けて、筋肉が自分を守ろうとして強く緊張し、固まってしまいます。筋肉が固まると、血管を圧迫するため血液のめぐりが悪くなってしまい栄養が行き渡らなくなり回復が遅れます。また固まった筋肉を無理やり伸ばしたり縮ませたりすると、捻挫や挫傷、肉離れとなり痛みが発症します。そしてさらに固まった筋肉は背骨のゆがみを大きくしていくという悪循環が起こってしまいます。
ゆがみが悪化していくことにより背骨の中にある神経が傷つくこともあり、手足のしびれや痛み、麻痺などがでてきます。その他にも、血流やリンパの流れを悪くしてさまざまな不調が起こる可能性があるため、決して放置してはいけないのです。
背骨のゆがみによりぎっくり腰や脊柱管狭窄症、ヘルニア、頭痛、五十肩なども引き押されるので放っておくことは本当に怖いことです。手術をすることになったときには入院時の費用もかかり、リハビリも費用と時間がかかります。それが高齢者の場合ですと余計に負担にもなりますし、痴呆のきっかけにもなります。
背骨のゆがみが厄介なのは「痛みの出現までゆがみに気づかないこと」で、いかに自分の体のことに目や気を向けられるかは大事な要素となります。
ゆがみの悪循環が不調の原因に
ほとんどの人は、少々背骨がゆがんだ程度では、さほど不調を感じません。しかしその人の筋力では支えられない以上のゆがみが生じると、「筋肉のはり感（コリ）」「痛み」「しびれ」といった強い症状が現れてしまうのです。
痛みが出ると、身体は痛むところを守るために、無意識に他の筋肉でかばうようになります。このため他の部分の筋肉に無理がかかってしまい、痛む場所が広がっていきます。しかし、ほとんどの方は、「年齢が年齢だから仕方ない」とか「これくらいになら大丈夫」と判断されて、施術を受けないまま放置されています。そして整骨院や整体院に行かなければどうしようもないと思われたときには、実はすごく悪化しているということがよくあるパターンです。
例えば、肩の痛みも背骨のゆがみが原因となり、肩周辺の筋肉に負荷がかかることにより疲労がたまってしまい、筋肉が固まって「だるいな」と感じることがあるでしょう。
それすらも放置してしまうと肩が全く上がらなくなるような五十肩や四十肩といった症状につながっていくのです。一度五十肩、四十肩を発症すると長い人だと2年間くらいその症状が続いてしまう人もいます。
頭が痛くなると言った症状も首の筋肉の緊張や背骨のゆがみにより血管が圧迫されておきます。その状態もほっておくと吐き気、めまい、ふらつきというように状態が悪化するのが目に見えるほどになることもあります。
手や足の痺れといった症状も背骨のゆがみや筋肉の緊張により神経を圧迫してしまい痺れがおきます。痺れが起きると感覚が麻痺してしまったり、しっかりと体を思うように動かせなくなったりします。
お早めの対処をお薦めします
背骨に限らず、不調や痛みは早めの処置が大切です。背骨のゆがみは、手技によって矯正することで、筋肉や関節、神経の働きを正常化し体の不具合を改善させることは可能です。しかしこればかりは、自分の力でどうにもならないことがほとんどです。
風邪をひいたら病院にかかる、といったように、背骨や筋肉に少しでも何らかの異常を感じた場合は自分で判断するよりも的確なアドバイスが得られると思いますので、早めに対処なさることをお勧めいたします。
